シェイクスピア庭園でハムレット

 ブローニュの森の奥深くに、プレ・カトラン(PRE-CATELAN)という庭園があります。ここの三ツ星レストラン「ル・プレ・カトラン」は、とても有名ですが、今回はグルメではなく、芸術鑑賞のために小川の流れる静かな庭園の方へ。鬱蒼とした森の中のこの庭園の奥に、シャイクスピア庭園(Jardin Shakespeare)と名付けられた野外劇場があります。この美しい庭園では、初夏から夏の終わりにかけていろいろな演劇を、オープンエアーの気持ちの良いスペースで鑑賞することができるのです。

 先週の日曜日に、私が観に行ったのは、シェイクスピアのハムレット。ロンドンに本拠地のある「TOWER THEATRE COMPANY」英語劇で、フランス語の字幕付です。この字幕、舞台の向かって左隅においてある電光掲示板を読むことになるのですが、字幕に気を取られていると肝心の舞台が観れないし、やっぱり、シェイクスピアは英語でそのまま理解したほうが良さそうです。きっと日本語字幕なら、一瞬で字幕をちらりと見て、舞台に視線を移せるのでしょうけど、古語がいっぱいのフランス語を読んで、考えているうちにどんどんストーリーは進んで行ってしまいます。途中からは字幕を読むのはあきらめて、シェイクスピアの戯曲の自然のリズムを楽しむことにしました♪

 この日の舞台、最初のほうは晴天ではないにしろ、時々雲の間に晴れ間も見られたのですが、途中から本格的に雨が降り出してきて、しかもさらに後半は大粒の雨になってきて、最後のほうは、「ザ・我慢!」状態に。とっても寒くなったきた私は、どのタイミングで席を立とうかそわそわしていたのですが、他の観客たちは皆、コートの襟を立てて、ジャンパーのフードや、ありあわせのタオルやスカーフで雨をしのぎながら帰る気配は全くなし。その後、幸運にも後ろに座っていたアメリカ人男性が、大判のタオルを貸してくれたので、それにくるまって、さらに、幕間に受付で1ユーロで購入した雨合羽(Rain Ponchoと書いてあったけど、特大の超薄手のゴミ袋を頭と腕が出るように切っただけのようなもの。色が白なのがせめてもの救いだった。黒や緑、グレー、ましてやブルーでなくて良かった。なぜならパリのゴミ袋はグレーや青中心だから。)を着用して、大粒の雨に打たれながら最後まで頑張ったのでした。

 しかし、雨の中、泥だらけになりながらのTOWER THEATRE COMPANYの俳優さんたちの熱演には大感動。最後は、皆総立ちで大拍手。この時は、雨も上がり太陽も少し顔を出してくれました。

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幕間の観客席の様子。
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シェイクスピア庭園での催し物のスケジュールはこちらから
http://www.jardinshakespeare.fr/
http://www.paris.fr/portail/Parcs/Portal.lut?page_id=5594


こちらは、「TOWER THEATRE COMPANY」のサイトです。
http://www.towertheatre.org.uk/

LE BOURGEOIS GENTILHOMME (MOLIERE)

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 息子と友人家族と一緒に、モリエールの戯曲『町人貴族』(Le Bourgeois Gentilhomme)をパリのテアートル「Théâtre Fontaine」で観てきました。

 このモリエールの晩年の作品は、1670年にシャンボール城のルイ14世の宮廷で、モリエール劇団(Troupe de Molière)によって初演されたそうです。

 貴族(gentilhomme)に憧れた愚かな金持ちの町人(bourgeois)のジュルダン氏(M. Jourdain)が上流階級の真似事をして頑張る姿が滑稽に描かれていて、肩書きにこだわる人間を揶揄した喜劇として現代でも十分通用する面白い作品です。

 上流貴族に仲間入りするために、様々な作法を学ぼうとする成り上がりの商人ジュルダン氏が、ダンスや剣術、そして貴族風の発音の仕方まで習おうとしているのが、滑稽でとても面白く、特にこの発音のレッスンの場面での、ジュルダン氏の過剰なリアクションに子供たちは大受けでした。

 モリエールの生きた十七世紀のヨーロッパは、中世を支配した教会(僧)と領主(貴族)が腐敗し、ブルジョア(企業家)が台頭した時代。自らもブルジョア出身であるモリエールは、この時代が陥った拝金主義を憂いて、新しいタイプの「町人貴族」(bourgeois gentilhomme)いう、上流気取りの俗物で、地位財産の崇拝者をこのように滑稽に描いたのでしょう。

 この「Théâtre Fontaine」では、年間を通じて子供向きにアレンジされたシェイクスピアやモリエールの有名作品を鑑賞することができます。残念ながら、この作品の上演期間は9月から5月までなので、9月の新学期が始まったら、今度はもっとたくさんの作品を親子で観たいと思っています。

THEATRE FONTAINE
10 Rue Pierre Fontaine
75009 PARIS FRANCE
METRO: Blanche, Pigalle ou Saint-Georges
Tél: 01 48 74 74 40 - Fax: 01 48 78 37 44

チケットはこちらのサイトから予約できます。舞台の雰囲気を味わえる動画も見ることができます。
http://theatre.roumanoff.com/

劇場でチケットを買う人々。
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もうすぐ劇が始まります。
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劇場内部の様子。
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