【フランス小説】 の一覧


2017年03月24日

Aimez-Vous Brahms - ブラームスはお好き

フランソワーズ・サガンを読んでいたのはいつの頃だったでしょうか。




たぶん、まだ本当の恋も愛も何も知らない頃。




知らないからこそ、ずっと純粋で無防備なまま大人の恋愛小説を読んでいたのだと思います。





そうこの小説を読んだのは、たぶんまだ高校生の頃でした。





Aimez-vous Brahms...
ブラームスはお好き









サガンが20代前半の頃に書いたこの小説の主人公は離婚経験のある39歳の独身女性でした。





装飾デザイナーとしてパリで働く一人暮らしの女性の切なく甘い、そして痛みを感じる恋愛劇です。



今となっては題名は知っているのに、ちゃんと読んだのかどうかもわかりません。






おそらく読んでいても、若さと経験不足で、主人公のポールの気持ちも、パートナーのロジェの失われつつある若さへの郷愁のような複雑な思いも、全くわかってなかったのでしょう。


ただ行間に流れるブラームスの音楽とパリのエスプリと風景に酔いながら、想像の中の世界で少しだけ背伸びがしたかったあの頃の私には、39歳という微妙な年齢の女性の葛藤など、ほんのカケラもわかっていなかったのだと思います。



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パリのリュクサンブール公園






スーツケース2つだけでパリに移住した私が持ってきた本は、サガンが18歳の時に書いたBoujour tristesse (悲しみよ こんにちは)のフランス語の原書だけでした。





先日、無性にサガンが読みたくなって、パリ郊外のサンジェルマン・アン・レーという街のジベール・ジョセフ(Gibert Joseph)という大きな本屋に出向きました。






そして貪るように一気に読んだのが、39歳のパリジェンヌのポールと25歳の青年シモンの恋を描いた「ブラームスはお好き」の原書「Amimes-vous Brahms...」です。




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Gilbert Josephで買ってきた「Amimes-vous Brahms...」。






この小説が出版された1959年は、フランスでも39歳の女性が25歳の青年とつきあうのはとても勇気のいることだったようです。



そして世間の目も今ほど優しくなかったのです。






主人公のポールは、お互い束縛しない大人の関係を築いている彼女より少しだけ年上のロジェとの寂しい関係が続いていたのに、そこから抜け出せないまま、純粋に愛してくれる14歳年下の美しい青年シモンに惹かれてゆくのだけど、最後の最後には、ビロードの毛布のような温もりに満ちた二人の暮らしに終止符を打ち、ロジェとの関係に戻っていくのです。




小説は、それでもロジェは変わることなく、ポールは寂しい待つ女のままだと匂わせて終わります。


ロジェには若い愛人がいて、仕事と偽って逢瀬を重ねていました。






ポールはそのことに女の直感で気づいていたのかもしれません。






14歳年下の美青年シモンに深く愛されながらも、大人の男性のロジェの元に戻っていったのは、彼の無防備過ぎる子供っぽさが、ポールには重荷だったのでしょう。




この小説を読みながら、今の私なら二人とも選ばないと思いました。






特に、ポールを必要としながらも、コミットメントをしないまま都合の良い関係を続けるロジェとの関係はありえないように思えました。




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昔読んだ小説を歳を重ねてから読んでみるのもいいものですね。

若い頃とは違った発見がたくさんあり、それもまた味わい深いものです。








ブラームスはお好き (新潮文庫)
フランソワーズ サガン (著), Francoise Sagan (原著), 朝吹 登水子 (翻訳)






フランス語学習者の方には、ぜひ原書を読まれることをお勧めします。
朝吹登水子さんの名訳と合わせて読まれるのも良いと思います。




Aimez-Vous Brahms? (フランス語)
Francoise Sagan (著)




私はまだ見ていませんが、イングリッド・バーグマン主演のこちらの映画版も見ているのもいいかもしれませんね。



さよならをもう一度 [DVD]
イングリッド・バーグマン (出演), イヴ・モンタン (出演)










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posted by ミカリュス・ブルガリス at 19:58 | パリ 🌁 | フランス小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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